2024/11/14
繋ぐ難しさ。
寒くなったと思ったら次の日には暑くなったりと、なんだか本当に訳の分からない気候になっている京都です。
日本全国そうかもしれませんね。
変な気候に左右されてなかなか身体がシャキッとしません。
今週の京都はどうやら暑い1週間になりそうなので、暑くなると言う心構えで毎日を過ごしていこうと思います。
それはさておき、最近の我が工場では本当に普通の仕事が多いです。
普通の仕事って何?って思われたかと思いますが、引き染め屋らしい仕事のことで1色で最初から最後まで染める色無地の商品や縦ボカシ、モヤボカシや横段のボカシなどの着尺の着物の商品です。
近年うちの仕事の種類のなかではそれほど多い方ではなかったのですが、ここに来て多くなっています。
最近はやたら凝った帯の加工の仕事が増えていたのですが、近頃はそういった引き染め屋らしい仕事が多いです。
商品を持ってきてくださる方々は皆さん一言目に「染めてもらっていた工場さんが廃業されて…」とおっしゃられて困っておられる方が多くて、職人さんが減ってきているのを実感します。
以前は沢山あった染め工場もだんだんと少なくなって、染めたくても染められない状況になってきているんです。
その状況を目の当たりにして、自分は残っている側として今持っている技術だけではなくもっと色々な技術を学んでいく必要があるなと考えさせられています。
これから失われていく技術もあるでしょうし、そういう技術を残し繋いでいくのも残された職人な義務なのではないかと思うんです。
技術は失われるのは一瞬ですが、その技術を復活させるのは本当に大変な事だと思うんです。
失われてしまう前になんとか繋いでいけるように努力していきたいと思います。
2024/11/06
もう寒いですね。
秋がようやく来ましたね。
もう寒いです。笑
仕事中は半袖なのですが、さすがに朝晩は寒くなってきたので長袖を引っ張り出してきて着ています。
まだまだ紅葉シーズンには程遠い感じの京都ですが、街中は観光の人達でごった返しています。
年末に向けて忙しくなっていますが、今年は色々と考えさせられる事の多い1年だった気がします。
まだ今月をいれて2ヶ月を残していますが、寒くなった事をきっかけに一気に年末感が増した気がします。
これからどういった商品を作っていくのか?今後どんな取引先と仕事をしていくのか?とか、考えてみればいつも思っている事ではあるのですが今年はより真剣に考えた気がします。
10年先を考えた時に、このままでいいのか?どうやっていけばいいのか?誰しもが考える事ではあると思うのですが、本当に真剣に考えてめちゃくちゃ迷った1年だった気がします。
着物業界ってどうなのか?このまま着物や帯を作っていくだけでいいのか?本当に考えました。
答えはまだ出ていませんが、やるべき事は決まった気がするのでそれを日々やっていこうと思います。
それが正解かどうかはわかりませんが、とにかくやってみないことにはわからないのでやっていこうと思います。
どうなるか楽しみでもありますが、正直怖い気持ちもあります。
すぐに結果は出ないと思いますが、10年後にあの時にやってよかったと思えるように今苦労しようと思います。
やったりできた事は少しずつこのブログに書いていこうと思います。
とにかく自分の仕事は染め
る事なので、それをより真剣に気合いをいれてやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
今後の自分が楽しみになるように努力します!
2024/10/30
色の変化を楽しんで。
急に寒くなってきました。
先週は風邪をひいてしまいどうなるかと思いましたがなんとか復活し、元気に毎日仕事をしています。
それにしても急に寒くなってきた京都です。
一雨ごとに寒くなっている感じで、バタバタと秋と言うよりも冬支度になっている感じです。
そろそろ来年の春夏ものの制作が始まっていきますが、来年の春ごろにはどんな色の着物や帯が流行るのか考えていかなければなりません。
毎年だいたいは決まった春夏色があるのですが、それだけでは面白くないので『攻めた色』を毎年何色か染めているのですが、この色を決めるのがなかなか悩むところなんです。
攻めすぎて奇抜すぎて全然売れない色を作ってしまう事もあります。笑
笑い事ではないのですが、何十色と色を決めていく中でこの色は面白そうだなとか、この色はなかなか染めないなぁなんて色々考えて決めていくのですが、いい塩梅の色って本当に難しいなぁといつも思うんです。
この色はオシャレなのか?それとも奇抜すぎるのか?なんてぶつぶつ言いながら1人考えています。
色って本当に大切で、色一つでどんな商品も売れたり売れなかったりすると思うんです。
少なくとも自分が納得した色じゃないと確実に売れません。
こんな感じかなぁ?なんて思った色は絶対に売れません。
それぐらい真剣に色とは向き合って、妥協せずに染めていかないといい商品にはなりません。
難しいですがある意味で染める作業よりもやりがいがあります。
その分めちゃくちゃ大変ですが。
染め屋といえば染める作業に注目されがちですが、その染め屋が染めた商品の色を注目して見てみると違った見え方して面白かったりします。
これからどんどん寒くなって街中を歩く着物姿の人達の着物の色がどんどん変化していきます。
紅葉の時期でもありますので、色々な物の色を楽しんでみてはいかがですか?
2024/10/23
身体、大丈夫かな。
秋ですね。
急に秋。笑
京都は日曜日から本当に急に秋になりました。
朝晩は寒いぐらいになって、半袖も短パンもタンスの奥にしまいこまれて今シーズンの出番は終了しました。笑
本当に急に寒くなったので身体が追いつかなくて風邪をひいてしまいました。
久しぶりに風邪をひいてしまったので、めちゃくちゃ調子が悪いです。
なかなか治らないですが、なんとか仕事しています。
毎日刷毛を使いひたすらに着物や帯を染めていますが、病気になっていつも思う事があるのですが、この仕事ってめっちゃ体力仕事なんだなぁと思うんです。
元気な時は別に気にもならないのですが、自分が体調不良でいつも通り動けなくなってしまっていつもの仕事をしようと刷毛を持った瞬間、「あれ?刷毛ってこんなに重かったか?」って思って、いざ染め始めると「ん?ボカシってこんなに時間かかってたかな?」と真剣に感じるんです。
いつも歩いていると思っていたのが、実は走ってたみたいな感じです。
元気な時にできている仕事量は、実は無理して身体を酷使してやっている仕事量なんじゃないかと真剣に考えてしまうんです。
いつでも元気でいたい気持ちはありますが、いつも元気でいれるわけでは無いので、元気な時に限界までやっている仕事量は実は限界をとっくに超えた仕事量なんじゃないかと考えるようになってきたんです。
これからどんどん歳をとり、体力も衰えていく中で今まで以上のクオリティを保ちながらどれだけの仕事量をこなせるのか、真剣に考えながら毎日を過ごさなくてはならないなと考えます。
まだ若いし大丈夫じゃない?なんて言われるかもしれませんが、若いからこそ考えていかなくてはならない問題ではないかと思うんです。
永続的に今のクオリティの商品を作り続けるためには若いうちから考えて実行していかないと、その時になってからでは遅すぎる気がするのです。
これから長く良いオシャレな商品作りを続けるためにも、自分の身体と向き合って毎日を過ごしながら仕事をしていきたいと思います。
2024/10/16
新しいカタチ。
10月も中旬になりようやく朝晩が秋らしくなって過ごしやすくなってきた京都です。
こうなってくると紅葉の見ごろはいつ頃になるのかそろそろ気になる頃ですね。
朝晩の寒暖差が激しくなると紅葉は進むと言われていますが、そう考えるとそろそろ始まっていくのでしょうか。
今年はどうやら遅めの予測ですがどうなるのでしょうか?
楽しみですね。
紅葉の頃は京都はあふれかえるような観光客の方達ですごいことになるので、その方達が着物を着て歩く姿が見れるのでそれがまた楽しみでもあります。
今年はどんな色の着物が多いのか?どんな生地のものが流行っているのか?羽織物は?帯の柄は?なんてある意味での市場調査でもあります。笑
工場の近くには嵐山がありますので散歩がてらに渡月橋辺りを見て回るだけでもたくさんの着物姿の人達を見ることができます。
京都の地の利を生かした市場調査は欠かせません。
さて今年はどうなるか。
それはさておき、工場といえば帯の仕事が盛んでして作家さんの商品の土台を作る仕事が多いです。
こちらでボカシやなんやで作った土台からインスピレーションを得て、そこから作家さんがイメージして描いていくという仕事内容でして、私の作りたいものを作っていいそうで。
めっちゃ楽しいです。笑
私の作った帯にどんな絵を描くのかすごく気になりますし、どんな感じに作るか考えるのも楽しいです。
『完成させない』が一番のテーマで、いつもなら自分で完成させるところを背景にならなければならないので、ある程度のところでやめて他人に完成を委ねるのでいつもと作り方も違うのでとても楽しいです。
自分の作ったものが他人の手でどんなオシャレな物になるのか、考えただけでワクワクします。
こういう新しいカタチの仕事はいつやっても楽しいですね!
自分だけではなく、他の誰かと一緒に一つのものを作り上げていく事はこれからきっと増えていく事になるのだと思います。
新しいカタチで物作りをしていくことは楽しいし、やりがいもありますしもっともっと増やしていきたいと思います。