2025/05/21
大学生と始めます。
来月からとあるプロジェクトに参加させていただく事になった。
私のような染色を生業にしている人間とファッションを勉強してこれから社会へ飛び立とうとしている大学生が協働し一つのものを作り上げていくプロジェクトです。
私は今まで誰かに何かを教えるような立場の人間では無いと思って生きてきましたが、職人仲間から「こんな話がきてるんだけど、一緒にどう?」と声をかけられて半信半疑でそのプロジェクトの発案者を紹介され話を聞きました。
私以外の職人仲間も一緒に話を聞いて正直腑に落ちないところもあり、どうするかなこの話?と思いその場は参加するかは保留にし仕事場に戻りました。
後日、プロジェクトの発案者の方に私の工場に足を運んでいただき改めて話し合いの場を作っていただいて3時間ほど話し合いました。
それでもまだまだ話し合いの余地はありますが、自分がやってこなかった部分をやってみるチャンスではないかと思い参加させていただく事になりました。
『自分がやってきた事を誰かに教える』なんて事はまだまだ先の事で自分には無関係な事だと思って生きてきましたが、私も40歳を越えて新しい何かに挑戦したいと思っていましたのでこのプロジェクトがなんだかすごく楽しみになってきています。
私はこれからが職人として1番脂が乗ってくる時期ですし、大学生の人達は学生として同じく1番脂の乗る時期でもあると思うのです。
各世代でこれからの時代を生きる者同士で切磋琢磨して何かを作れるなんてめちゃくちゃ面白そうで仕方ないです!
何を作るのかはこれから決めて行くのですが、それが着物なのかそれとも帯なのか洋服なのかはまだわかりませんがせっかくなら私も大学生も作った事の無い物を作ってみたいと思います!
さて何にしようか今から考えてみたいと思います。
こういう事を考えている時がめちゃくちゃ楽しい瞬間だったりするんです笑
めちゃくちゃオシャレでイカした商品を大学生と一緒に作ってやろうと思います!
進行状況なんかはブログでお伝えしたいと思いますのでご期待ください!
2025/05/14
あっついです。
「あっつい…。」
「夏が来たかのようにあっつい。」
そう言って業者さん達は工場に入ってきますが、工場の中はそれほどでもなく快適に作業できる環境なので外との気温のギャップに体調を崩さないように気をつけて毎日を過ごしています。
京都は今週末から週明けまで荒れた天気になりそうなので、この素晴らしく良い天気の間にガッツリと作業を終わらせてしまおうと思っています。
さて近頃の工場での作業といえば、もっぱらポリエステルの着物の地染めです。
なかなかの単純作業なので疲れます。
性格的に同じ作業をひたすら続けて行うのは苦手ですぐに違う事をしたくなってしまいます。
ですので、そのかたわらでオリジナルの帯を横に準備しておいて着物の作業に飽きてきたら帯を染める作業に切り替えてなんとか続けて作業できています。
しかし最近は本当にポリエステルの着物の仕事が増えてきていてびっくりします。
シルクの着物の方は少なくなってきていますが、ポリエステルは調子良くなってきています。
ポリエステルの生地の便利さが今の時代のニーズにあっているのかも知れません。
ポリエステルの生地を使って面白い事ができないか模索中です。
オリジナルの帯と同様にオリジナルの着物も作っていこうかと考え中です。
オシャレなデザインの着物をポリエステルの生地で作っていこうと思っています。
色々とやりたい事はたくさんあるので、一つ一つやって行こうと思います。
頑張ります!
2025/05/07
距離感なんです。
近頃作業をしていて思うのですが、自分の作っている商品はいったい誰にむけて作っているのだろう?そう思う時があります。
何故そんな事を思うのか考えてみたのですが、おそらく消費者様までの距離感だと思うのです。
それが良いとか悪いとかそう言った話ではないと思うのですが、距離が遠いほど感覚が鈍ると言うか実体のない物に対して物作りをしている感覚なんです。
距離が遠いほど何かフワッとした物作りになってしまって、自分でも作っていて途中で「あれ?」って思ってしまうんです。
消費者様までの途中の色々な人の意見が入ってくるのは自分の考えている事とは違う意見が入って、それはそれで新しい物作りができて楽しさや面白さがあるのですがその人たちが増えれば増えるほど何か違和感を感じてしまいます。
中間の人達の意見だけならまだしも、その人達が私の作った商品に後から別の工場で私に相談無く加工をしてしまったりされた時には「あ…。」って思ったりするんです。
自分が作った着物や帯が他の誰かの加工を自分の想像していたものを超えてきた時には本当に嬉しくて感動したりするのですが、「何かちょっとコレってどうなんだろうか?」なんて思う商品になっていた時はものすごく残念の気持ちになります。
自分ならもっと違うカタチの商品にできたのになぁなんて思ったら凄く切ない気分になったりします。
前述した通りそれが良いとか悪いとかではなくて作り手側からみて、自分の考えて作った商品を悪い意味で違う形にされてしまったことにどうしても切ない気持ちになってしまいます。
どうせやるなら自分が思っていたものよりもっともっとオシャレにしてほしかったとか、良い意味で想像を超えて欲しかったとか、思う事はたくさんあります。
自己満足じゃない?って言われてもかまわないので、やっぱり最後まで自分でやり抜ける商品を作りたいと心底思います。
後の加工を任せるなら自分の信頼する職人さんにお願いしたいと本当に思います。
なのでそういう商品作りやって行こうと思います。
頑張ります!!
2025/04/30
複雑な気持ちですね。
ついこの前まで桜が咲いていたような気がしますが、もう遠い昔のような気がするくらい初夏を感じさせる気候になった京都です。
私の大好きなお神輿のシーズンがやってきましたので仕事とお神輿とでとても充実した季節を今年も過ごせそうです。
そんな春の五穀豊穣の季節がやってきた京都の工場には難しい依頼が来ます。
依頼の内容は私のような引き染め屋に来るような仕事ではないと思うのですが、なかなか難しい加工の依頼が入ってきます。
私はわりと色々な物を使って加工をしていくのが好きですが、やはりシンプルなボカシ物の商品を作るのが引き染め屋としては1番やりがいを感じますし好きでもあります。
加工も複雑になるほど自分の本業としている部分からは離れて行きますし、少し複雑な気持ちにはなるのですが違う楽しみだと思ってやっています。
帯なんかはそれの象徴かもしれませんが引き染めでする部分よりも他の加工のほうが目立ちますし着物よりも当然ですが派手な商品になります。
それを求められればやはりそちらのほうを作っていかなければならないのですが、やはり自分としては複雑な気持ちではあります。
オシャレな商品を作りたいと思う気持ちは変わりませんので、どちらももっともっとスキルアップしていきたいと思っていますので日々精進です。
しかし物作りは本当に楽しくて、日々新しい物を作りたくてしかたないです。
これからももっともっともっと色々な技術を勉強してスキルアップして商品作りをしていきたいと思います。
2025/04/23
時代の流れですね。
先週末から一気に季節は進み、新緑の季節になって気温も1ヶ月先へと進んで初夏へと変わりました。
京都です。
近隣の桜は葉桜へと変わり眩しいくらいの緑へと変わりました。
この4月から一気に色々な事が変わり、ついていけてない感がすごいです。
何より工場で染めているものは季節的な商品は少なくなり、1年を通して使える商品がほとんどになりこの時期に染めていた夏物の商品は数を減らしています。
なかなか難しい判断を迫られる事が多くなってきているこの呉服業界です。
着物を染める作業はより難しいものを作る仕事が増え、簡単に大量に染める仕事は数を減らしています。
帯はもともとが難しい加工をしている商品が多いので、より難しくを求められる事はあまりありませんが生産量を求められるようになっています。
どちらも骨が折れる要望ですが求められている以上はこなしていかなければならないので、なんとか応えて行きたいと思っています。
まだまだ表面にはあらわれていませんが、水面下では色々な差別化が行われているように感じます。
令和も7年になり平成に比べてものすごい勢いで色々な事が前に進んでいるのではないでしょうか。
最近は自分のペースで作業ができていたり、色々なこの呉服業界の出来事が客観的に見れるようになって感じたり考える事は絶えません。
作業に追われて毎日毎日を走ってしまっていては感じられないことのような気がします。
この令和を職人としてどう生きていくのか本当の意味で考えていかなければならなくなったと思います。
私はまだまだこれからな40代ですのでたくさんの事に悩みながら時代と共に前進していきたいと思っています。