2024/10/30
色の変化を楽しんで。
急に寒くなってきました。
先週は風邪をひいてしまいどうなるかと思いましたがなんとか復活し、元気に毎日仕事をしています。
それにしても急に寒くなってきた京都です。
一雨ごとに寒くなっている感じで、バタバタと秋と言うよりも冬支度になっている感じです。
そろそろ来年の春夏ものの制作が始まっていきますが、来年の春ごろにはどんな色の着物や帯が流行るのか考えていかなければなりません。
毎年だいたいは決まった春夏色があるのですが、それだけでは面白くないので『攻めた色』を毎年何色か染めているのですが、この色を決めるのがなかなか悩むところなんです。
攻めすぎて奇抜すぎて全然売れない色を作ってしまう事もあります。笑
笑い事ではないのですが、何十色と色を決めていく中でこの色は面白そうだなとか、この色はなかなか染めないなぁなんて色々考えて決めていくのですが、いい塩梅の色って本当に難しいなぁといつも思うんです。
この色はオシャレなのか?それとも奇抜すぎるのか?なんてぶつぶつ言いながら1人考えています。
色って本当に大切で、色一つでどんな商品も売れたり売れなかったりすると思うんです。
少なくとも自分が納得した色じゃないと確実に売れません。
こんな感じかなぁ?なんて思った色は絶対に売れません。
それぐらい真剣に色とは向き合って、妥協せずに染めていかないといい商品にはなりません。
難しいですがある意味で染める作業よりもやりがいがあります。
その分めちゃくちゃ大変ですが。
染め屋といえば染める作業に注目されがちですが、その染め屋が染めた商品の色を注目して見てみると違った見え方して面白かったりします。
これからどんどん寒くなって街中を歩く着物姿の人達の着物の色がどんどん変化していきます。
紅葉の時期でもありますので、色々な物の色を楽しんでみてはいかがですか?
2024/10/23
身体、大丈夫かな。
秋ですね。
急に秋。笑
京都は日曜日から本当に急に秋になりました。
朝晩は寒いぐらいになって、半袖も短パンもタンスの奥にしまいこまれて今シーズンの出番は終了しました。笑
本当に急に寒くなったので身体が追いつかなくて風邪をひいてしまいました。
久しぶりに風邪をひいてしまったので、めちゃくちゃ調子が悪いです。
なかなか治らないですが、なんとか仕事しています。
毎日刷毛を使いひたすらに着物や帯を染めていますが、病気になっていつも思う事があるのですが、この仕事ってめっちゃ体力仕事なんだなぁと思うんです。
元気な時は別に気にもならないのですが、自分が体調不良でいつも通り動けなくなってしまっていつもの仕事をしようと刷毛を持った瞬間、「あれ?刷毛ってこんなに重かったか?」って思って、いざ染め始めると「ん?ボカシってこんなに時間かかってたかな?」と真剣に感じるんです。
いつも歩いていると思っていたのが、実は走ってたみたいな感じです。
元気な時にできている仕事量は、実は無理して身体を酷使してやっている仕事量なんじゃないかと真剣に考えてしまうんです。
いつでも元気でいたい気持ちはありますが、いつも元気でいれるわけでは無いので、元気な時に限界までやっている仕事量は実は限界をとっくに超えた仕事量なんじゃないかと考えるようになってきたんです。
これからどんどん歳をとり、体力も衰えていく中で今まで以上のクオリティを保ちながらどれだけの仕事量をこなせるのか、真剣に考えながら毎日を過ごさなくてはならないなと考えます。
まだ若いし大丈夫じゃない?なんて言われるかもしれませんが、若いからこそ考えていかなくてはならない問題ではないかと思うんです。
永続的に今のクオリティの商品を作り続けるためには若いうちから考えて実行していかないと、その時になってからでは遅すぎる気がするのです。
これから長く良いオシャレな商品作りを続けるためにも、自分の身体と向き合って毎日を過ごしながら仕事をしていきたいと思います。
2024/10/16
新しいカタチ。
10月も中旬になりようやく朝晩が秋らしくなって過ごしやすくなってきた京都です。
こうなってくると紅葉の見ごろはいつ頃になるのかそろそろ気になる頃ですね。
朝晩の寒暖差が激しくなると紅葉は進むと言われていますが、そう考えるとそろそろ始まっていくのでしょうか。
今年はどうやら遅めの予測ですがどうなるのでしょうか?
楽しみですね。
紅葉の頃は京都はあふれかえるような観光客の方達ですごいことになるので、その方達が着物を着て歩く姿が見れるのでそれがまた楽しみでもあります。
今年はどんな色の着物が多いのか?どんな生地のものが流行っているのか?羽織物は?帯の柄は?なんてある意味での市場調査でもあります。笑
工場の近くには嵐山がありますので散歩がてらに渡月橋辺りを見て回るだけでもたくさんの着物姿の人達を見ることができます。
京都の地の利を生かした市場調査は欠かせません。
さて今年はどうなるか。
それはさておき、工場といえば帯の仕事が盛んでして作家さんの商品の土台を作る仕事が多いです。
こちらでボカシやなんやで作った土台からインスピレーションを得て、そこから作家さんがイメージして描いていくという仕事内容でして、私の作りたいものを作っていいそうで。
めっちゃ楽しいです。笑
私の作った帯にどんな絵を描くのかすごく気になりますし、どんな感じに作るか考えるのも楽しいです。
『完成させない』が一番のテーマで、いつもなら自分で完成させるところを背景にならなければならないので、ある程度のところでやめて他人に完成を委ねるのでいつもと作り方も違うのでとても楽しいです。
自分の作ったものが他人の手でどんなオシャレな物になるのか、考えただけでワクワクします。
こういう新しいカタチの仕事はいつやっても楽しいですね!
自分だけではなく、他の誰かと一緒に一つのものを作り上げていく事はこれからきっと増えていく事になるのだと思います。
新しいカタチで物作りをしていくことは楽しいし、やりがいもありますしもっともっと増やしていきたいと思います。
2024/10/09
考えさせられます。
週明けから雨が続き、ようやく晴れ間が戻ってきた京都です。
昼間はまだまだ暑い日が続きますが、朝晩はずいぶん涼しくなってきました…と言い続けて10月も二週目に突入です。
全然秋らしくならない、紅葉も進まない、まだまだ夏日が続きそうですが毎日仕事を頑張っています。
突然ですが、染料を入れている缶の製造業者様が廃業されたのでこれからは染料を入れる物を各店で用意してください、と材料屋さんから連絡がありました。
京都でその缶を作っている業者さんは、そのお店が最後の一軒だったらしく京都で染料を入れる缶を手に入れる事はできなくなってしまいました。
コロナ後からこの業界でももうあの道具手に入らなくなるよとか、あの材料手に入らなくなるよとか言われ始めて「あそこのお店が最後のお店らしいよ…」なんて話しは本当に多くありました。
それでもその最後の一軒が企業努力を続けてくれていたおかげで、今までなんとか滞りなく必要なものが手に入っていたのを本当の意味で痛感させられました。
これからおそらくどんどんこう言った事が起こるのだと思います。
自分だけが残れればそれでいいなんてのはおかしな話で、これからはその業界自体が存続できるかどうかになってきているのだと思うんです。
私は40代なのでこれから10年20年その先この仕事を続けていけるかどうか、本当の意味で考えなくてはならなくなっているのだと思います。
これからもっともっと真剣に自分の仕事の事やこの業界の事を考えながら日々を過ごしていかなくてはならないと思いました。
近頃はなかなか考えさせられる出来事が多いですが、なんとか乗り切って頑張っていきたいと思います!
2024/10/02
10月になりました。
いよいよ10月になり、1日から色々な事が変わりましたね。
主に値上げですが笑
郵便料金の値上げが個人的には1番大きな影響がある値上げでしたね。
なんだかもう年がら年中値上げの話しをしている気がします。
そろそろ落ち着いてほしいところですがどうなることやらですね。
さてさてそんな世知辛い世の中ですが、そんな事は言ってられない毎日を過ごしています。
工場はこの夏からほとんどの仕事がポリエステルの着物か正絹の帯になっています。
正絹の糸の値段の高騰がやはり影響しているのか正絹の着物の仕事量はガクッと減ってしまいましたが、その反面ポリエステルの着物の仕事の量はグッと増えてほとんどがポリエステルの商品になってきています。
正絹な商品が減っているのは糸の値段の高騰が主な原因だと思いますが、他にもたくさんの要因があるのではないかと思っています。
その中の一つに時代の流れもあるのではと思っているんです。
やはりコロナ禍の影響が大きなところではあると思うのですが、そのコロナが落ち着いて色々な事に対する考え方が変わったんだと思うんです。
これまでは見向きもしなかった物に対して、「あれ?コレってもしかしてすごく便利でとても良い物かもしれない」
なんて思うようになってきたんではないでしょうか。
その物に対して以前よりも知ろうとしたり考えたりするようになったのではないでしょうか。
そして本当に自分が必要だと思う物にお金を使うようになったのではないかと思うんです。
私自身はそうなったのではないかと思います。
それは良い事もあれば良くない一面もあると思うんです。
でもそうやって時代は変わっていくのでしょうし、その波に上手く乗りながら時には抗って前に進んで行きたいですね。
なんだか小難しい話になってしまいましたが、最後に何より元気で毎日仕事を頑張っていきたいと思っています!