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2023/09/20

工夫する。

なかなか残暑厳しいですがいかがお過ごしでしょうか?

この時期はいつもなら夏の暑さも少しおさまり染めの仕事をするものからすればとても仕事のしやすい時期に入るのですが、今年はまだまだ夏の気候が続いていてなかなか染めに適した気候というわけにはいかなそうです。

夏の暑い気候は染めに適した気候とは言えず、乾燥した気候と暑さは染めた反物をどんどん乾かし普通では起こらないような事を引き起こす原因になります。

適度な乾燥は染めにとって必要不可欠ですが、必要以上の乾燥や室温は思いもよらない染め難を引き起こしてしまいます。

そのような事が起こらないようにするために加湿をすればいいのでは?と思われるかもしれませんが、染め工場はとても広く工場自体を加湿するためには一体何台の加湿器が必要になるか。

それに必要以上の湿度は染めには大敵で、長く乾かない時間が続くとまたそれはそれで違う染め難を引き起こしてしまいます。

湿度のコントロールは非常に難しいんです。
なかなか難しいところですが、染めはやはりその気候にあったスピードで自然に乾くのが1番良いと思いますので、無理な事はせずにその時期にあった乾かし方をするのが良いと思っています。

染めは気候にものすごく影響を受ける仕事ですので、自然との共存だと私は思います。

なので毎日の天気予報は欠かさず見ています。笑

これから温暖化が進めば染めに最適な時期は少なくなっていきますし、また新たな難が出てくる可能性もあります。

着物や帯など作る側にとって染め難は出してはならないものですし、出ないようにどうすればいいかを考えるのも作る側にとって避けては通れない事だと思っています。

値段の安い物を作るときには染め難が出るか出ないかは非常に大事な事で、値段を大きく左右する要素になります。

染め難を出さないため工夫し研究していくのも作る側の職人にとって必要不可欠な事だと思います。

そういう工夫や研究を日々私達職人は行っています。

工夫する。
工夫する。

2023/09/13

妥協しない。

京都は朝晩がだいぶ涼しくなり少し秋を感じるようになってきました。

とはいえ昼間はまだまだ残暑厳しく、本格的な秋はまだまだかなと感じます。

秋といえばこれから12月ごろにかけて、来年の春夏シーズンの見本作りに取り掛かる時期になります。

これから来年の春夏シーズンにはどんな色が流行りそうかなど考えたりリサーチしたりしていきます。

どんな色の着物を作ろうか、どんな柄の帯にしようか考える事はたくさんありますが私はその時間がキライではなく、できるだけ楽しんでできるようにしています。

もちろん各取引先からのオーダーもありますが、それをその通りに作るだけではなくこちらからこの色なんかいいんじゃないかと持ちかけて話し合い、各取引先と見本作りを進めていきます。

話し合いの中ではやはり予算の事も出てきますので、値段が出せるので今までより複雑な加工をしてみようだったり、安い値段のシリーズも作りたいだったり色々な事を話し合いながら進めていきます。

その中でも安い値段で作らなければならない時は特に考えて物作りをします。
値段が出ないときはとにかく色にこだわります。
加工できない分、色にこだわって新しい色を考えて作ります。

そんなふうに妥協せずにこだわって作れば必ずお客様が気に入ってくれる商品ができるはずと考えているので出来る限りの努力をします。

そうやって物作りをしていれば、きっと「あそこの商品いい色だね」とか「あの商品おしゃれだね」なんて言ってもらえるんじゃないかと思うんです。
そんなふうに言ってもらえると、最高ですよね!
そんな声が聞けるように努力して一所懸命物作りしていこうと思います。

妥協しない。
妥協しない。

2023/09/06

1日24時間って短くないですか?

染め屋の朝は早いんです。
急に何の話?って思われたかと思いますが、早いんです笑

朝4時半ごろに起きて支度をし、5時ごろから昨日染めた反物を下ろして業者さんに渡す準備をします。
それが終わればその日に染める色作りを始めます。
色作りが終われば7〜8時ごろには染める段取りを始めて一気に夜まで染めていきます。

途中、取引先との打ち合わせが入ったりしますがほとんど染めながら打ち合わせします笑

だいたい夜の7〜8時ごろにはその日の分を染め終えて、明日の染める反物を準備していきます。

明日の準備が終われば新作のデザインを考えたりして1日が終わります。
仕事が終わるのは夜10時ごろです。
これが1日のルーティーンです。

染め屋はどこもだいたいこんな感じだと思います。

手作業で着物や帯などを染めていきますので、1つ1つ時間がかかります。

1日24時間をどう効率よく使うかが勝負になります。
どんな仕事でもそうですが時間は無駄にはできません。

そんな中でも時間を作って展示会や催事に見学に行って勉強したりします。
最近の流行などは実際にそういう場に行かないと、工場の中でひたすら考えていてもわかりませんし新しいものも思いつきません。

そういう場で「この着物すごくおしゃれだな、どうやって作ってるのかな?」なんて考えて自分の作品作りの参考にしたりします。
ですので工場で作業することよりも大切な事だと思います。

昔は職人は工場にいてなんぼ、なんて事をよく言われましたが今はそんなことは無いと思うんです。
どこに新しいデザインのヒントがあるかわからないし、そのヒントは取りにいかなければ向こうからは来てはくれません。

なので、私が工場にいるかは電話やメール等で確認してください笑

当店にご興味のある方は一度確認のご連絡をいただきその後ご来店ください。

でも個人的にはいきなり工場に突られるのも嫌いではありません笑

1日24時間って短くないですか?
1日24時間って短くないですか?

2023/08/30

色って大事。

まだまだ残暑厳しいですが、ところどころで秋の気配を感じるようになりました。

日の入りも少しずつですが早くなり、夜の時間も長くなってきました。

夜はいつも次の新しいデザインを考えたりする時間に使う事が多いですが、これからの季節は夜の涼しい時間帯に染める作業をする事も多くなってきます。

これから秋・冬の新作が続々と並ぶようになってくると思いますが、毎年その年のトレンドカラーは気にするようにしています。
今年は赤やベージュ、グレーに黒みたいです。

トレンドカラーは洋服だけではなくもちろん呉服にも共通していると思います。
呉服は洋服のように赤!黄色!黒!と原色のようなはっきりとした色目ではありませんが、例えばベージュでも赤味のベージュだったりグレーでも黄色味のグレーといった感じでその時の流行にそった色が流行しているように思います。

呉服と言っても着物の色味と帯の色味ではやはり違いますし、その年の流行色をそれぞれに落とし込むために色々考えます。

色は本当に大事な要素だと思いますので、色一つで「なんかあの着物おしゃれだよね」と思ってもらえるのではないかと思っていますので、色を考えるのは難しいですが悩みがいのある仕事の一つだと思っています。

当店は呉服の染め屋ですので洋服を染める事はほとんどありませんが、同じファッションの業界ですので別の世界の話と無視するのではなく、しっかりと意識して取り入れられる事は取り入れて物作りをしていきたいと思います。

色って大事。
色って大事。

2023/08/23

暑い!

まだまだ暑い日が続きますが皆様体調はいかがですか?

工場は日々暑いです。笑
引き染め屋の特性として、日光遮断(乾きムラができるため)のため窓は明かり取りぐらいの小さな窓しかない・風を通せない(これも乾きムラができるため)その小さな窓も開けられない・エアコンと扇風機が使えない(これも乾きムラができるため)という夏には本当に向かない環境で仕事をしています。
加えて染め終わった反物が次々に乾かすために干されていくので、反物が乾く時に出る湿気でまさにサウナのようになります。(もはや笑えない)

反物の状態ですと着物は1反13mほどありますし、帯ですと1本が5mほど長さがあります。
その長い反物が濡れた洗濯物のような状態で次々と干されていくので、すごい湿気になります。
染めた反物に影響の無い程度に換気扇は回っていますのでそこから湿気が抜けてはいくのですが、まぁ暑いのなんの…。
毎日汗だくで染めています。

毎日毎日反物と向き合ってどんな商品を作ろうか考えていますが、アイデアはなかなかそう簡単に出てきてはくれません。

のでそんなサウナのような工場を抜け出し、気分転換に出かける事もしばしば。
美術的な施設などに行くと色々な刺激ももらえるのですが刺激が強すぎて逆に疲れてしまう事もあるので、おしゃれ?な家電量販店や百均などに行く事が多いです 笑

なぜ?と思われるかもしれませんが、そんなところに以外と染めに使える何かがあったりするんですねー。
そして何より涼しい 笑

染めには関係ないような場所でも視点を変えてみれば以外に色々と使える物があったりするんですよね。
そんなところに何も無いと決めつけずに、ちょっと考え方を変えて違う角度から見てみると面白い発見があったりするんですよね。

そうやっていろんな面白くておしゃれで素敵な商品が作っていければなと思います。

暑い!
暑い!
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