2025/03/06
技術向上あるのみです。
雨が降ったり止んだり暖かくなったり寒くなったりと本当に忙しい気候の京都です。
そんな慌ただしい3月になりましたがそろそろ卒業シーズンですね。
花束を持った学生さん達や袴を着た学生さん達を見かけるようになってきました。
袴といえば、最近では染めることはほとんど無くなりましたがそれこそ15年から20年ほど前は袴を染めていたものです。
とんでもない量のポリエステルの生地の袴を手で染めていたものですが、いつしかそういった袴の仕事はほとんどがインクジェットで染めるようになってしまいました。
時代の流れなのでしょうが、袴はレンタルが主流になりましたので小売店で販売される事も少なくなりました。
袴だけではなく振袖もそういう流れになっていて、どんどんと手染めの染工場から姿を消しています。
インクジェット、いわゆる機械染めですが昔に比べ今は本当に素晴らしい商品が作れるようになっています。
昔のようにそれと一目にわかる商品ではなく、本当に手で染めた商品と変わらないクオリティーの商品が今は作る事ができています。
それは本当に素晴らしい事だと思いますし、我々手の物作りとはまた違った視点での物作りを突き進めていった結果だと思います。
いつの時代も色々な事で切磋琢磨し技術を上げて着物業界を進歩させてきたのだと思うんです。
その昔は敵対するかのように見られてきた手と機械ですが、お互いが業界の事を考えて向上させてきた技術がこれからは手を取り合っていければと思います。
我々、手で染める側も技術をもっともっと上げて業界の底上げをしていきたいと思います。
3月は色々な意味で節目の月だと思うので、毎日を大切に考えながら日々を過ごしていきたいと思います。
2025/02/26
なんだか暖かいですね。
急に春めいてきた京都です。
日差しは暖かくなって気温も上がって春が近づいてきている気がします。
つい2・3日前まで雪が降っていたのですが、わからないものですね。
少しずつ春にむけて季節が進み、それとともに和装の業界では羽織物やコート等が売れていく時期になります。
特に紗の羽織ものなどがよく売れているようで、リピートが多いです。
私はポリエステルの生地も染めますので、ポリエステルの羽織がよく動いているように思います。
ポリエステルの羽織ですと自宅で洗えますし管理も簡単です。
その上価格も正絹の物に比べて安いものが多いので売れるのも納得といったところです。
私も羽織やコートは断然ポリエステルをおすすめしますので、まだポリエステルの羽織物を持っておられない方はぜひ一度購入してみてはいかがかと思います。
着物は正絹で羽織はポリエステルなんて組み合わせは理にかなった組み合わせで、ポリエステルの羽織は自宅で洗濯できるので、着物を汚さず快適にお出かけできるのではないでしょうか。
なんだか通販みたいな感じになってしまいましたが、作っている側から考えて正絹の良さとポリエステルの良さそれぞれの良い部分が活かせる商品作りができればと色々と考えながら物作りをしていこうと思います。
2025/02/19
自分に期待しています。
2月も終わりに近づいていますが、本当に寒い日が続いています。
今週も寒波が押し寄せて、雪もちらほらと降り続く京都です。
しかしこう寒いと工場全体が冷蔵庫のようになり、染めた生地がなかなか乾かなくて大変です。
乾燥はしているので時間がかかりますがキッチリ乾くので、そのあたりは梅雨時期と違ってありがたいですがとにかく寒いです。
さてさてそんな寒くて本当に底冷えしている工場では、新しい染め方を考えて商品を作ったりしています。
染め屋は常に新しい何かを考えて作る事が1番必要な事だと考えているのですが、それは新しいデザインを考えるだけではなくて新しい染め方を考えることも本当に必要な事だと考えています。
私は引き染め屋なので刷毛を使って染めるのですがそれだけではなくて、色々な物を使って刷毛では作れない染めを考えて違う何か作り出す、それは自分が考えて新しいものを作り出すという事になります。
今までの物を使えばそこまでの物しか作れないし、そこからステップアップするにはある意味で今までのものを捨てて挑戦する以外に道はないと考えています。
トライアンドエラーを繰り返した先にしか新しい何かは無いし、それができなければ職人として次の段階には進めないと思うんです。
なので私は常に新しい事に挑戦しています。
どんな物を作れるか自分に期待しかないです。
最後は必ず着物・帯にするんだ!とそこだけをブレずに物作りさえすれば大丈夫だと思っているので色々な事に挑戦できます。
明日はどんなものが作れるか、自分に期待しながらこれからも毎日挑戦し続けようと思います。
そうやって作った商品を通販サイトで皆さんの手元に届けられればいいなと思っています。
頑張ります!
2025/02/13
自分が思う物作り。
寒すぎますね。
もうそれしか言葉が出ないです。
先週末は京都も珍しく大雪が降り、一面雪景色になりました。
寒さも一旦落ち着くみたいですが、2月ですのでまだまだ油断ならないです。
これだけ寒いと着物を着て出かける人も少ないなかもしれませんね。
上に羽織やコートなんかを着て着物を着て出かければ寒さもなんとかなるのでは?
無理かな。笑
寒いですよね、
羽織やコートぐらいでは寒さは防げないですよね。
今はインナーに着れる物が増えてきているので、それでだいぶ違うのでそれを駆使して皆さん冬の着物生活を楽しんでみてください。
昔は、こうじゃなきゃ着物じゃない!みたいなものがありましたが、今はそんな事を言ってる方が古い考えなのかもしれませんね。
簡単に着れる着物や帯なんかも昔より増えてきていますし、カジュアルな柄の着物も本当に増えています。
古典的な柄しか着物じゃないなんて言われた時代もありましたが、時代の流れとともにそういった考えも変わってきたのかもしれませんね。
最近は着物っていったい何なのだろうか?なんて疑問に思ってしまったりします。
この疑問を否定的に捉えるのではなくポジティブに考えて、自分の作っている物は着物なんだ!誰に何と言われようと自分は自分の思う着物や帯を作るんだ!と自分に言い聞かせて物作りをしています。
その着物を気に入って購入してくれる人が必ずいると信じて、これからも商品作りを続けようと思います。
これから少しずつではありますが帯の通販を始めて行こうと思います。
頑張ります!
よろしくお願い致します!
2025/02/05
寒すぎます。
今年の最強寒波が押し寄せている日本ですが、京都も間違いなく最強の寒波押し寄せてきています。
めちゃくちゃ寒い!!
雪こそ降ってはいませんが、とにかく寒いです!
今週いっぱいは工場に缶詰状態で作業しながらこの寒波を乗り切ろうと思っています。
そんな震えるような寒さの工場では相変わらずポリエステルの着物を染めています。
正絹は帯ぐらいで着物はずいぶん少ないです。
やはり正絹の価格が高騰しているのが原因なのか動きは悪いです。
それだけが原因ではないのでしょうが、正絹を染める仕事が本当に少なくなっています。
正絹より生地の値段が安く、扱いもしやすいので正絹の商品に代わりポリエステルの商品がどんどん増えてきていてバタバタとしています。
ポリエステルは染めるのが難しいので色々な事に気を使いながら染めています。
正絹のように前例のある染め方ではないので、日々手探りでどうやって染めようかと考えながら作業しています。
それでもずいぶんと長くポリエステルの染めをしてきたのでだいたいの事はわかってきています。
なにより正絹と見比べても遜色無い商品が作れているので、そこが1番だと思っています。
呉服業界全体では正絹に比べてまだまだポリエステルの商品は少ないですが、これからは必ずポリエステルの商品が増えていくのでもっともっと良い商品が作れるように努力していきたいです。
令和になり色々な物事が急速に変わっていっている気がします。
私は40数年生きてきましたが、令和は何かものすごい勢いで世の中が変わろうとしているのを感じます。
この勢いに乗れれば新しい何かが生まれるだろうし、もし乗れなければ恐らくその時点で終了だと思うんです。
非常に厳しい時代に入りましたが、自分を信じてしっかりと前を見てこの時代を走り抜けたいと思います。