2024/04/10
挑戦する。
桜も満開をむかえて街中が桜のピンク色に染まっている京都です。
観光シーズンも最高潮をむかえて、どこもかしこも京都に観光に来られた観光客の人たちであふれかえっています。
外国人の方がとても多いですが、日本人の観光の方も多く着物姿の方も本当に多くて数年ぶりに『観光地・京都』が戻ってきた気がして本当に嬉しい気持ちです。
月曜日の夜遅くに降った大雨と強風にもなんとか桜も耐えて、なんとか今週いっぱいは桜を楽しむ事ができそうです。
昨晩は花冷えになり、久しぶりに暖房をいれて夜をすごしました。
工場近くの川沿いの桜も満開みたいですので、天気が回復した今日こそは仕事が忙しく引きこもりがちだった工場から出て気分転換に散歩がてら川沿いの桜を見に行こうと思っています。
さて小雨の降った昨日、今年2回目の加賀友禅の展示会に行ってきました。
今回は前回とはまた違った友禅職人さんたちの作品の新作のお披露目でしたので、どんな作品があるのか楽しみにして行ってきました。
今回は前回よりもたくさんの作品が展示されていて見ごたえのある展示会でした。
その中でもひときわ目に入ったのが、糊の使い方を工夫した作品でした。
パッと見た時に「あれ?この作品、他の作品と何か違うな」と思ってよく見ると、友禅がすごく立体感があって展示してある他の作品と全然違うんです。
気になって会場の方に聞いてみると、今までにない新しい糊の使い方をしている作品だとおっしゃっていました。
あきらかに他の作品には無い斬新さとおしゃれさがあって、職人目線で見ても明らかに『挑戦』している作品で、個人的にめちゃくちゃテンションが上がって興奮を抑えられませんでした。
私自身も帯作りに関して特に『挑戦』を自分の中で大事にしているので、ものすごく共感できてすごく興奮しました。
会場の方がおっしゃっていたのですが、お客様の中には「これって失敗なんじゃないですか?」と言われる方もいるそうで、この作品はどうなんだろう?と思う面もあるとおっしゃっていました。
私は思うのですが新しい事をすると必ず最初は否定されたりすると思うんです。
でも諦めずに自分を信じて続けていれば必ず認められる時がくるし、その時には他の誰も作る事ができない物になっていると思うんです。
だからその作品を作った職人さんには、自分の感性と技術を信じて物作りを続けてほしい!と心から思いました。
これから我々染色を生業にする職人にとって厳しい時代になっていくと思いますが、こういう職人さんたちがいればきっと未来は明るいのではないかと思うんです。
今回の展示会でこの作品に出会えた事は自分にとって本当にプラスにしかならないし、もっともっと自分も頑張って物作りをしなければと思わせてもらえました。
また次回の展示会も楽しみ
で仕方ありません!
私ももっと色々な事に挑戦しながら物作りをしていきたいです!
2024/04/03
着物を着て歩くってステキですね。
京都は桜の開花宣言もされて春の観光シーズンの真っ盛りです。
気温も急に暖かくなり、ついこの間までダウンジャケットを着ていたのが嘘のように今では昼間はパーカー1枚で出かけられるようになりました。
今日は残念ながら雨ですが、桜の満開まではまだ少しありますので桜の花を散らす事にはならなさそうです。
観光の方々も本当に多くなり、着物を着た若い方々を大変多く見かけるようになりました。
若いカップルの方々が男女共に着物を着て歩いている姿を見ると、すごくいいなぁと思いますし、もっと着物を着てくれる若い方々が増えればいいのになとも思います。
昨今は着物を着る方々の年齢層もグッと若くなった気がしますし、なによりすごくおしゃれに着こなしている気がします。
自分で着物を着る方もそうだと思うのですが、着付けをされる方々も色々なところに気をつかい時代にあった着付けをされているのではないかと思います。
帯の着装の仕方一つとっても、昔から決められたやり方だけでなく、色々なやり方を遊び心で工夫されているのではないでしょうか。
そういう部分でも昔よりも着物がよりカジュアルな服装へと変わりつつあるのではないかと思います。
それは本当に素敵な事ですし、作り手側からすれば本当に嬉しい事です。
これから先の時代どの家庭のクローゼットにも1着は着物がある、なんて時代がくるかもしれませんね!
そうなれば今よりもっと着物が身近な物になるでしょうし、当たり前に着物が生活の一部になるのではないでしょうか。
そんな時代が早く来ればいいのになぁと街中を歩いている着物を着たカップルを見て考えていました笑
さてこれから本当に人が多くなる春の観光シーズンに入っていく京都ですが、当工場では今シーズンの秋冬物の見本作りのシーズンに入っていきます。
今年は例年より遅く始まりますが、(生地の生産者不足や工場の閉鎖が影響しているようですが)なんとか間に合わせるように日々頑張っていきたいと思います。
私はこの業界では若手と言われますが、40歳を越えて自分では若くはない気がしますが、なんとか頑張って物作りを続けていきたいと思います!
2024/03/27
春が来ますね。
京都はずいぶんと長い期間雨が続き、ようやく晴れて気持ちの良い天気になりました。
そろそろ桜の開花の時期にさしかかり、これまでの雨と春らしい気候になって一気に桜も満開の時期をむかえるのではないでしょうか。
この時期は卒業や卒園、入学や入園の次期でもありフォーマルな着物が1番動く次期でもありますので、当工場でも染めているのは附下や訪問着などフォーマルな商品を多く染めています。
友禅職人さんが友禅を挿した商品の地場を無地や暈しで染めていく仕事が多くなります。
私は友禅を挿す事はできませんが、暈し染めの附下や訪問着などを染めていますので、そちらの仕事も多くなる次期でもあります。
この時期はいつも友禅職人さんの挿している友禅を見ていますので今年はこんな柄が流行っているのかとか、今年の色はこんな感じの色が多いななど、商品を見て色々と今年の流行を身近に感じています。
毎年おしゃれな柄も多くて、職人さんによって配色など細部にこだわりを感じる商品も多く、この時期は目でも春の始まりを感じることができます。
当工場で作る染帯も春らしい色のものを作るようにしていますので、作っている時も新しいシーズンを感じながら作っています。
とりわけ春だけが着物の時期と言うわけではないと思うのですが、この時期に作る商品や受ける仕事で春を感じることが本当に多いし、作っていてもウキウキした気持ちで仕事ができます。
春は出会いや別れのシーズンで新しい気持ちで色々な事を始めるときだと思うので、私もこの春からどんな事をしようか色々と考えて始めていこうと思います。
3月もあと少しですが頑張っていきたいと思います!
2024/03/20
春はもうすぐ。
先週末はずいぶんと暖かくなり工場の近くの川沿いに桜並木があるのですが、蕾を膨らませてもう咲くのではないかと思わされましたが、今週はまた冬の寒さに戻ってしまった京都です。
この寒くなったり暖かくなったりを繰り返して春になるのでしょうが、そろそろ気候も落ち着いてほしいものです。
この寒暖差は我々染め屋にとってなかなか仕事がしづらいので程々にしてほしいものです。
今月末ごろには桜も咲いて新しいシーズンが始まると思うと、気持ちも新たに仕事も頑張らないといけないなと引き締まる思いです。
以前から作っている帯の商品が好調で、この春から本格的に取り組みたいとおっしゃってくださる取引先様が増えたので、ペースを上げて帯の新作を作っていかなければなりません。
私1人の工場ですのでペースアップはなかなか大変ですが、私の作る商品を気に入った てくださるお客様のためにもなんとかペースアップできるように頑張ります。
着物とは違い帯はある程度自由に作れるので楽しみながら制作に取り掛かろうと思っています。
着物の商品も新作をお待ちいただいている取引先様もあるので、そちらも取り掛かっていかなければならないのでこの春からは今まで以上に忙しくなっていきそうです。
制作にかけられる費用も安い商品から高い商品まで色々ありますので、上手く調整しながら考えて作っていかなければならないのでその辺りも試行錯誤しながら進めていきたいと思っています。
材料費や外注費も高騰していますので頭を悩ませるところではありますが、なんとか色々な部分でカバーできればと思います。
新しい技術も取り入れていきたいところですがなかなか簡単にはいかないです。
日々勉強をして、新しい物作りをしてお客様に気に入ってもらえる商品を作っていきたいです。
春の足音も近づいてきていますので、良いスタートダッシュが切れるようにしっかり準備して制作に取り掛かっていこうと思います!
2024/03/13
加賀友禅の展示会見に行ってきました。
京都は1日1日寒くなったり暖かくなったりを繰り返して少しずつ春にむかって季節は進んでいる気がします。
この季節は展示会などが本当に多く、毎週末のようにどこかで展示会が行われています。
そんな中、今日は加賀友禅の新作の展示会へ行ってきました。
京都から遠く離れた石川県の金沢市を中心に多くの友禅作家が活動されています。
京都・東京と並ぶ日本三大友禅の一つです。
私は友禅作家さんのように友禅を挿す事はありませんが、同じ染めを生業にしている人間として友禅の魅力に惹かれて勉強がてら友禅作家さんの着物や帯などを見に展示会へ足を運んでいます。
自分が作る商品とはまた違う物ですが、色使いや柄の配置など勉強になることは本当にたくさんあります。
私は加賀友禅の地色がとても好きで、優しく柔らかな地色ですがとてもいい具合に友禅の色を引き立たせて着物全体をしっかりとまとめ上げているように感じます。
なかなか簡単に作れる地色ではありませんが、参考にして私も商品を作る事もあります。
加賀友禅は独特の色使いや繊細な糸目、草花柄を中心とした豪華な柄の構図など京都の友禅とはまた違った面白さがあり見るだけでも本当に面白いです。
決して安い商品ではありませんが、そのお値段に見合う繊細な手仕事で作られた本当に素晴らしい作品ばかりでした。
京都でなかなかたくさんの加賀友禅の新作商品を見る機会はありませんので、こうして展示会で見るたびに同じ染めの業界の職人として加賀友禅の職人の方々を本当に尊敬しますし誇りに思います。
京都と同じように職人の高齢化や後継者不足などさまざまな問題に直面されているそうですが、それを乗り越えてこれから先もこの技術が受け継がれていくようにお互いに頑張っていきたいですね。