2024/02/07
失敗する時間は大切。
京都はちらほら梅が咲き始めていると言う話を聞きはじめました。
暦の上でも立春を過ぎて少しずつ春めいてくるのでしょうか。
寒い寒いと思っていたのですが知らぬ間に季節は変わっていきそうですね。
毎年2月は春夏物の着物の仕事が落ち着いてくる時期ですのでこの間に普段できない作業をいつもしています。
特にオリジナル商品のデザインを考えたりそれの見本作りをしたりする事が多いです。
そのほか新しい染め方の研究をしたり新しい色を作ってみたり、日々色々と考えていた事を実際にやってみる時間にしています。
頭の中で考えていても実際に物として作ってみないとわからない事がたくさんあります。
色々な意味で『失敗する時間』ですので、私はこの時間をとても大切な時間だと考えています。
ここでたくさん失敗してその中で色々な事を経験して次の物作りにいかす、その繰り返しで職人として腕を上げていくのではないかと考えています。
今は着物の仕事がひと段落してきたので、近頃作れていなかった帯のオリジナルの商品の制作にとりかかっていこうと思っています。
着物と帯では作り方がまったく違うので、どちらも作れる事が大事だと思っています。
帯はある程度の作り方の決まりを考えたうえで作れば着物よりも自由に物作りができるので私は帯を作るのがすごく好きです。
オリジナルの商品はなかなか簡単には作ることはできませんが作っている時は本当に楽しいですし、作っていて自分のこだわりを出せるので本当に作り甲斐があります。
おしゃれで素敵な帯が作れるように色々考えて作っていきたいと言う思います。
まだまだ寒い日は続きますが体調に気を付けて頑張りましょう!
2024/01/31
春の楽しみ。
毎日毎日日替わりで気候が変わるので、なかなか体調管理が難しくて身体の調子があまり良くありませんが、なんとか日々仕事を頑張っています。
昨日から初春のような暖かさで、花粉も飛び始めているようでなんだか体が大変です。
春に向けてこれから色々な場所で着物や帯の展示会が行われていきます。
たくさんの作家さん達や各組合などが今年の新作をお披露目する事だと思います。
私も時間のある限りは色々な展示会に足を運び、色々な新作を見学して勉強しています。
まだまだ勉強する事は多く、一挙にたくさんの作家さんや色々な会社の新作を見る事ができる機会もそんなにある事ではないので展示会があればできるだけ行くようにしています。
展示されている着物の中にはすごくおしゃれな物もあり職人としてでは無く、「これすごくいいなー」なんて消費者目線で見てしまいます。
でもやはり職人なので、これどうやって染めてあるのかな?とか自分ならどうやって染めるかな?とか考えてしまい、1枚の着物を見すぎて全然次の着物に進めないなんて事になってしまいがちです笑
あまりそう言う目線で見るのは良くないとは思うのですが、どうしても気になってしまいます。
展示会で周りを見渡して1枚の着物の前でジーッと着物を見てブツブツ言っている人をもし見つけたら、もしかしたらその人は職人かもしれません笑
色々な目線で展示してある着物や帯を見ると、その商品を作った職人さんの技術が見えてきて、自分もまだまだ勉強しなくてはいけないなと思わされます。
私は職人なので色々な目線で展示会を楽しむ事ができるので、この時期からはすごく楽しみになります。
2月になれば京都の各所で展示会が行われていくので、春の楽しみでもあります。
明日から2月なので体調管理をしっかりとして商品作りを頑張っていこうと思います。
2024/01/24
職人さん達からのプレッシャー。
ついこの間までお正月気分でしたが、気付かぬうちに1月も後半に差し掛かっています。
昨晩から京都は気温もグッと下がり、今朝は霜が降り強烈な寒さになりました。
体調管理は難しいですがなんとか元気に毎日仕事を頑張っています。
ありがたい事に当店は年明けからバタバタと忙しくしていますが、近ごろは色々な職人さん達から引き染めの依頼を受ける事が多くなってきました。
その中でも多いのが着物の柄を加工した商品の巻きボカシをしてほしいと依頼されます。
巻き(まき)ボカシとは、その名の如く柄のまわりをボカシで巻いていく作業の事を言います。
引き染め屋の仕事の一つですが、古い着物や帯の染め直しなどのときにすることが多く、1色で最初から最後まで柄を無視して染めてしまうよりもボカシによって柄が強調されてよりおしゃれな物に仕上がります。
1色で最初から最後まで柄を無視して染めてしまう作業とは違い、柄を避けるようにボカシを入れていくのでなかなか技術のいる作業になります。
着物は柄と柄が仕立てるときに合う部分がありますので、その合う部分をしっかりと計算してボカシをしていかなければなりませんので染めるまえにその部分をちゃんと確認して染めていきます。
引き染め屋の仕事ととしては基本的な仕事ですが、普通にボカシ染めをするよりも複雑ですので職人の腕が問われます。
柄を加工する職人さん達が懸命に考えて作った商品なので、手を抜く事はできませんし失敗も許されません。
プレッシャーは大きいですが、後の加工を任された側として全力で応えたいと思いながら仕事をしています。
呉服業界もインクジェットによる加工の商品が多くを占めてきている昨今ですが、こうやって一つ一つ職人が手仕事で作っている商品もまだまだ多くあります。
こういった商品が着物を好きでいてくれるお客様のもとに届いていただけるように、これからも頑張っていきたいと思いながら毎日仕事をしていきたいと思っています。
2024/01/17
寒いですが、物作りは熱く。
京都では十日戎も終わりお正月の雰囲気も落ち着き、ようやく日常が戻ってきた気がします。
街中は着物を着た方々も少し少なくなったように感じます。
冬もようやく本格的に到来してきているのか、雪のパラつく日も増えてきました。
今シーズンの冬は暖冬と言われているだけあって工場もそれほど寒くはありませんでしたが、いよいよいつもの冬らしく底冷えするようになってきました。
冬の工場は染めの仕事に支障が出るので暖房器具が使えませんので、外気温と同じ気温です。
そのかわり湿気が少なく、とても乾燥しているので染め終わった商品が割と早く乾くので仕事のしやすい環境ではあります。
工場には染め終わった着物や帯などがたくさん干してありますので早く乾いてくれるとスペースができるので、次から次へと染めていけますので本当に仕事がしやすいです。
今は今年の春夏物を作る時期なので、染める色も春夏の暑い時期の事を考えないといけないのですが、真冬なのでなかなかその時期の事をイメージするのが難しくていつも悩みながら商品を作っています。
春夏物の商品の色は、やはり寒色系の色になってきますので染めた商品もブルー系やグレーの青系・青紫系などになりますので工場に干してある商品の見た目にも寒くなってきてしまいます。
なので本当に工場は気温だけでなく中の見た目も寒いんです。。
今年の春夏物はクールでおしゃれな商品を考えて作っていますので、気温に負けない熱い気持ちで頑張っていこうと思います。
今日は寒い寒いと連呼してしまいましたが、皆様風邪などひかれぬようにお身体に気をつけて日々お過ごしくださいね。
2024/01/10
2024年、いよいよ始まります。
1月も10日になり、いよいよ2024年も本格的に動き出そうとしていますね。
気温もグッと下がる日が増え暖冬ではありますが、ようやく本格的に冬らしくなってきました。
そんな中、つい先日京都でも成人式があり振袖を着た女性の方達が京都の街を歩いていました。
毎年の事ではありますが、一年で1番街中で振袖を見かける日ですが近年ではコロナ禍だったという事もあり、どこか縮小されていた感がありましたが今年はそういった雰囲気もなく街中は振袖を着た女性たちで賑わっていました。
多くの振袖を着た女性の方々を見ると、着物を作る側の人間からすると安心するところもあります。
まだまだこういった場では着物を着る文化が残っていて、これからもこの文化が続いていってくれればなと心から思っています。
レンタルの振袖のほとんどが手染めからインクジェットへと代わっていってしまいましたが、それでも着物を着る文化が途絶えず続いていく事に変わりはありませんので、これから先もずっと続いていってくれればと切に願います。
私は自分の技術を活かしてより良い商品を作り続け、何よりおしゃれだねと言ってもらえる商品を作り続けたいと思います。
年齢問わず着る場を問わず普段着に着てもらえるような商品を作って行くのが1番の目標です。
そのために安い商品から値段の高い商品まで色々な商品を作り、色々な方々に手に取ってもらえるように商品作りを続けていきたいと思っています。
2024年は始まったばかりですが、今年も色々な商品を作って着物の文化を途切れさす事無く物作りをしていきたいと思っています。